日本海諸港から戦略港湾へフィーダー輸送が現実味 日港協・久保会長 国交省への要望で洋上通関実現

日本港運協会の久保昌三会長(写真)は10日、理事会後に会見を開き、20年末に赤羽一嘉国土交通大臣に提出した要望書について触れ、「内航船での洋上通関については国土交通省が財務省などと打ち合わせ、可能であることが判明した」と述べ、日本海諸港から太平洋側の戦略港湾に内航船でフィーダー輸送し母船につなげるという日港協の構想が現実味を帯びてきた。
 日港協では、内航船を用いた国際フィーダー航路は5大港が立地する太平洋側が主体で、日本海側諸港がミッシング・リンクとなっているとし、石川県(金沢)または福井県(敦賀)のいずれかを境にして、北回りは京浜港へ、南回りは阪神港へ内航船で輸送、東西戦略港湾への集貨を一層強化するためのネットワークを形成する施策展開を要望している。同時に本州全域をカバーする国際フィーダー航路に魂を入れるために不可欠なソフト面の施策として、内航船が航行中に公海上で税関(通関)申告するという「実質的な洋上通関の実現」を要望していた。同施策は、輸出貨物は積地の業者がトランシップ港の税関にWeb通関、輸入貨物は揚地の業者が母船から揚げ、内航船に積み込まれた税関(通関)へ申告することで、戦略港湾でのトランシップ時間を極小化するもの。この中で日本海側の積出港の通関業者が戦略港湾で貨物を検査する必要があるが、通関業者間で委託業務契約を締結すれば、他の通関業者でも検査できるとの確認がとれた。
 久保会長は「戦略港湾の政策は10年が経過し、なかだるみのような気がしており、当初の集貨・創貨の取り組みが薄れてきている。さらに貨物が戦略港湾に集まる誘致策として要望した。日本海側から太平洋側の港湾にフィーダー輸送する場合、日数的な競争力に問題があるが、洋上通関で釜山経由と遜色のないサービスとなる」と述べた。今後国土交通省から正式な通達があり、洋上通関が実現するが「現状、内航船が不足しているため、新たに建造しなければいけないかもしれない。また戦略港湾へのフィーダー輸送への切り替え促進のため何らかのインセンティブも必要となるだろう」との見解を示した。